世界の主要な原油指標同士に見られた従来の関係が、突然逆転した。ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油は通常、ブレント原油やドバイ原油よりも高値で取引されるものだが、現在は両指標よりも割安になっている。その大きな原因は、アジアでの需要が強く、それ以外の地域での消費が弱いことだ。 WTIは品質が高いことから、原油指標の中でも最も高い値がつく。ところが12月7日にWTIは1バレル=74.50ドルに急落し、ブレント原油よりも約2.50ドル安くなった。この3カ月半で最大の価格差である。通常、WTIはブレント原油よりも1~2ドル高値で取引される。 WTIとブレント原油の価格関係は今年初めにも逆転していた。2月にはWTIがブレント原油よりも1バレル当たり12ドル安くなり、過去最大のディスカウント幅を記録している。だが、中東とアジアの主要指標であるドバイ原油が、WTIとブレント原油よりも高