カナダのオイルサンド(重質油を含む砂の層)は最近まで、中東産原油の代替資源として安全かつ収益が期待できるともてはやされていた。ところがここにきて、オイルサンド事業の中止が相次いでいる。直近ではカナダ大手石油会社ペトロカナダが11月17日、オイルサンドの主要産地であるアルバータ州での開発事業を中止すると発表した。同事業は2011年までに日量14万バレルの生産を目指していた。 同社によれば、事業費が昨年だけで50%上昇し、約240億ドルに跳ね上がり、現在の原油価格の水準では合理性がなくなったという。同社のロン・ブレネマンCEO(最高経営責任者)は11月25日、記者たちに対し、「困難な時代に突入しようとしている。我々にとっては、スケジュールを守ることよりもコストを適正にすることの方が重要だ」と語った。 設備投資計画から「20%減」も ここ2年で1バレル=147ドルまで上昇した原油高騰を追い風に、
