教育改革は、管理の強化より学生実習制度の導入から始めよ (田中 秀征=福山大学教授) 最近は教育論議がかまびすしい。耳を傾けていて虚しい気持ちになることもある。やはり、「学生実習制度」の導入が教育再生の1つの決め手になると改めて確信を深めている。 私が提唱した学生実習は、農林(水産も含む)実習、福祉実習、海外実習の3つだ。高校生や大学生が3カ月なり6カ月、それぞれの実習先に泊り込んで無償労働を行う。それを学校が正式科目として所定の単位を与える。(詳細は拙著『舵を切れ』を参照) 私が政治の現場にいたころだから、もう10年以上前のこと。私は所属していた新党さきがけの選挙公約を通じて、学生実習制度の導入を提唱した。そのときは反響も多く、政府もそれなりに取り組む姿勢であった。しかし、残念ながら今に至っても本格的な進展はない。 日本の社会経済に建設的な一大変化をもたらす もちろん実習先は