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ブックマーク / older.minpaku.ac.jp (2)

  • 呪術師に弟子入り ㊦ | 国立民族学博物館

    なんと、私はモンゴルの辺境で呪術師に弟子入りし真っ赤に焼いた鉄の棒を舐めることになってしまった。師匠に「できる」と言われ、素直に舌をベロっと突き出した。赤く焼けた鉄の棒が眼前に迫ってくる。そして舌に触れた瞬間、「シュルシュルシュル」っといやな音。あれ? 意外と痛くない。呪文凄し!「今度は自分で棒を持ってやってみろ」。師匠に言われて、ぺろりと一舐めしたが大丈夫だ。「よしおまえは習得した」。師匠は満足げにそう言った。 そもそもモンゴルの伝統医療では、病は「熱い病」「冷たい病」の2種類に分けられる。師匠いわく「冷たい病に対して熱い性質の呪文を唱えた上で真っ赤に焼いた鉄の棒を舐めることで呪文の力を鉄に移す。その鉄で患者をたたくことで病を癒すのだ」。だがウランバートルから電話が入り急遽戻ることに。肝心の「どんな病気」に対してこの鉄の棒の治療が有効なのか、学ばずじまいに。私の呪術師修行はあっけなく3日

  • 呪術師に弟子入り ㊤ | 国立民族学博物館

    真っ赤に焼いた鉄を舐めながら治療をする呪術師が西の辺境にいる。そんな話を聞き、いてもたってもいられず西を目指した。1997年夏。モンゴル国立大学の大学院で学んでいた時のことである。 首都ウランバートルからトラックの荷台に乗って草原のガタゴト道を揺られること3日間。ごつごつとした岩山の裾野にあるシルクロード風味の小さな町に着いた。古都ホブドである。住民も青い目をした者や茶色い髪の毛の者など、「西域」を感じさせる。その町の郊外にポツンと遊牧民の移動式住居ゲルが建っている。灰色のフェルトが野ざらしの粗末なゲル。それが件の呪術師の家だった。ゲルの奥には彫りが深くて眼光の鋭い男が座っていた。 「おまえは大学院で民族学を専攻しているのなら、俺に弟子入りせねばならない」。そう言われ、なんとなく弟子入りすることに。若いって怖い。教えられた呪文をひたすら繰り返し唱える「修行」を始めて3日たった。「あの○○の

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