「SIP対応」をうたった機器であれば,どんなサービスにも使えて,どんな機器ともつながるのか。実はSIPの場合,現状はそうなってはいない。SIP対応機器同士でもつながらなかったり,サービスを乗り換えると機器ごと買い換えなくてはならなくなったりする。なぜこうした相互接続性の問題が出てくるのだろうか。 規格書にあいまいさが残る SIPには,RFC3261という標準規格を記した技術文書がある。しかも,現在ではほとんどの製品やソフトがこのRFCに準拠している。なのにつながらないケースがある。 つながらない理由はいくつかあるが,(1)RFCの記述があいまいだったり,必要な規定が決められていない,(2)同じ機能を実現するのに方法が複数ある,(3)お互いにサポートしている機能が異なる――といった三つの理由が代表的なところだ(図3-1)。 図3-1●SIP対応機器同士で相互接続性の問題が生じるわけ 実装ミス