敵を知り己を知れば…、ということで、まずアマゾンとは何であるかを考えてみたい。筆者もこの数年頭を絞って考えてきたのだが、この会社が何をやっているかは誰もが知っていても、どういった存在であるかということは知られていないと思う。この会社はサプライチェーンのすべてにフォーカスし、それを組み直すことを価値の源泉としているのだが、それを「消費者の視点」でやることにユニークさがある。だからつねに「破壊的イノベーション」を志向することになる。立場によっては、良くも悪くも、ということだが。 リアルとバーチャルをつなぐサプライチェーン・カンパニー アマゾンは今月、7.75億ドルの大型買収を決めた(CNET/J)。Kiva Systems(マサチューセッツ州ノース・レディング)は、マテリアルハンドリング(運搬制御)のロボットカート・システムの専門メーカーで、アマゾン自身を含む多くの大型量販店を顧客にしている。