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ブックマーク / emaki-japan.blogspot.com (21)

  • 赤鼻の図像学(宮腰直人)

    絵巻を読むのは、文句なく面白い。その愉しさにどう迫るか。どんな着眼点があり得るのだろうか。毎回、この絵巻三昧でも豊富なトピックが掲げられ、様々な角度から絵巻の面白さが言及されている。普段は、ブログの更新を楽しみに待つだけの私だが、音読『福富草紙』の登場にあわせて、再び、寄稿させて頂くことになった。絵巻の音読とその公開、そしてブログの更新をコツコツと続けてくださる、楊さんにこの場を借りて御礼申し上げたい。 さて、私は今回の機会を得て、『福富草紙』を手かがりに絵巻における人物形象(キャラクター)の問題を素描してみたいと思う。 『福富草紙』の主人公は「秀武」という人物である。「秀武」は、古びた烏帽子をかぶり、顔には幾重もの皺が刻まれ、あごには無精髭を生やしている。もっとも特徴的なのは、その赤い鷲鼻、赤い鼻先である。やや鋭さを感じる目つきと、赤鼻の取り合わせは、「秀武」を印象深い初老の男にしている

    赤鼻の図像学(宮腰直人)