室内の温度やCO2濃度を制御できる広島大学の実験施設。若木を植え、森林生態系の一部を再現した=3月、広島県東広島市 地球温暖化がこのまま進むと、森林が二酸化炭素(CO2)の発生源になる――。こんな仮説を、広島大や国立環境研究所がまとめた。21世紀半ばには、土壌で微生物が落ち葉などを分解する際に放出するCO2が、樹木が光合成で取り込むCO2を上回るという。日本の森林生態系の一部を再現して予測した。チームは「さらなる温暖化対策が必要になるかもしれない」と指摘している。 予測実験は、国立環境研究所(茨城県つくば市)と広島大など5大学の研究チームが行った。 広島大の中根周歩(かねゆき)教授(森林生態学)らは02年から、広島県東広島市の広島大キャンパス内に大型の温室に似た4メートル四方、高さ5メートルの実験施設を計6基設置。施設内にブナ科のアラカシの若木を植えて森林生態系の一部を再現。21