すさまじいかゆみで人々を悩ませた害虫「トコジラミ」の被害が各地で増えている。70年代にいったん姿を消したが、今世紀に入って米国などで大発生。直後に日本の宿泊施設や老人施設にも姿を現し始めた。殺虫剤に耐性のあるタイプも出現し、専門家は被害の拡大を警告している。 トコジラミの別名は「南京虫」。髪に寄生するアタマジラミや、ケジラミとは違ってシラミの仲間ではなく、カメムシに近い。夜行性で、アリほどの速さではい回り、人の血を吸う。刺された跡は斑点となり、穴が二つあることが多い。1度目は血を吸われてもかゆみはないが、2度目以降はアレルギー反応で強いかゆみが出るという。 マットやじゅうたん、テレビ、エアコンなど様々な場所に潜んでおり、半年で100〜200倍に増えると推定されている。半年間は血を吸わなくても生き続けることができ、殺虫剤が効かない場合もあり、駆除は困難とされる。 もともと日本には生息し