「紙の雑誌は永遠になくならない」 数年前はそう断言していたアナ・ウィンターだが、さすがの「コンデナスト」社でも急速に進むデジタル化の流れを目の前にして、悠長に構えてはいられなくなってきた。彼女自身が作り上げてきた「編集長」の姿は失くなるが、アナ・ウィンターの権力が弱まることはない──。 高級志向のメディアブランドを抱えるメディア企業は、「グローバル新戦略」で変化の時代を乗り切ることができるのか。 1988年から「ヴォーグ」の編集長を務めてきたアナ・ウィンターは、ボブヘアにサングラス、鋭い眼識で有名だ。流行の権威者たる「コンデナスト」社の豪華な歴史をあらゆる意味で体現している彼女は、いまや同社の未来も「売って」いる。その未来では、彼女自身が定めたような編集長の役割は過去のものとなる。 「出版業界で働くことが本当に素晴らしいのは、絶え間ない変革と、物事の動きがわかることだと思います」 マンハッ