2019年にノーベル経済学賞を受賞した、世界的に著名な経済学者の一人であるエステル・デュフロ。気候変動によって貧困層が受ける被害は、超富裕層や企業への課税によって補償されるべきだ──そんな提案をしている彼女に、英紙「フィナンシャル・タイムズ」が取材した。 マサチューセッツ工科大学「アブドゥル・ラティフ・ジャミール貧困行動ラボ」の共同設立者として、エステル・デュフロは主に貧困撲滅に焦点を当ててきた。そのため彼女はいま、世界の貧困層にますます深刻な影響を及ぼしている気候変動の経済的影響に取り組むことを余儀なくされている。 ワシントンで開催された世界銀行と国際通貨基金(IMF)の春季会合で、デュフロは「企業や超富裕層の課税を重くし、それを低所得国や個人に対する、気候変動に関連した被害の支援に充てる」という新たな提案をした。 私の言いたいことはとてもシンプルです。豊かな国に暮らす裕福な人々が、世界
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