怪物化したIT企業をなんとか家畜化する方法はないのだろうか。それとも、もう手遅れなのか。 ジャック・アタリの新著『メディアの未来──歴史を学ぶことで、新聞、雑誌、ラジオ、テレビ、SNSの未来は導き出せる』(プレジデント社)は、読み始めたら止まらない一冊である。50万年前にジャワ島のホモ・エレクトスが貝殻に彫り込んだ模様から始まり、ホログラムに満ちた幻惑の未来まで描き出される。 ミッテラン政権時代に大統領顧問を務めたアタリが提言するのは、GAFA (グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)の迅速な解体である。それができなければ、人類を待ち構えるのは従来型のメディアが消えゆき、人がホログラムなどの人工物に埋没していく未来だという。これがアタリの予言である。 人工物であふれる幻惑の未来 ──新著ではメディアの未来は暗いと書かれています。新聞や雑誌、ラジオ、テレビは生き残れるのでしょうか。