犠牲になるのは貧困層 猛暑下で特に犠牲になりやすいのは、貧困層だ。生産性低下の影響を最も強く受けるのは、賃金が低い職種だからだ。 農業や建設業に従事する屋外労働者は、猛暑による死亡、負傷、疾患、および生産性低下の危険にさらされていると、ILOは指摘する。ある学術調査によれば、1992~2016年までの24年間、米国内で285人の建設労働者が暑さのために死亡した。この数は同国内で就業中の暑さで亡くなった人の約3分の1に当たる。 屋内労働者のリスクも高まっており、そのなかには世界に約6600万人いる紡績工場で働く人たちも含まれる。彼らの職場の多くが、最高気温が危険なほど高くなるグローバルサウスにあり、しかも空調施設が備わっていない。 2021年に殺人的な熱波に見舞われたカナダのブリティッシュコロンビア州では、その年の暑熱関連の労働災害に対する補償の請求が、過去3年の平均と比べて180%増加した
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