「不倫よりもセックスレスのほうが罪」──もちろん、ステレオタイプかもしれない。だが、「フランス人は性生活を重視する」というイメージは根深い。そしてそのイメージは、フランス人にとっても同じ(だった)ようだ。いま、フランス人がそんな「普通」のカップル像から脱却しようとしているという。 2000年代──レストランのテーブルを囲んで5人のパリジェンヌが性生活を語っている。「週に何度もセックスしてる」、「私たちも。大好きなの!」、「逆立ちでもやったんだから」……。20年後、彼女たちは笑う。「普通じゃないと思われないように、皆多かれ少なかれ嘘をついてたんです」。メンバーの一人、教師であるジャンヌは言う。 当時は「パフォーマンス崇拝」が夜の生活までも支配していた。メディアや専門家たちは、激しい性生活を送るようにと繰り返し促した。ある年の「エル」誌の表紙はこうだった。「あなたはビッチ? こっそりできる衝撃