経済評論家で獨協大学教授の森永卓郎氏が,先週末,伊藤忠テクノソリューションズ主催のプライベートセミナーで講演した。テーマは「イタリアのものづくりに学ぶこれからの日本経済」。日本企業は何かと米国企業のやり方をまねたがるが,森永氏は「これからは,大量生産してコストを下げるのが企業の成否を決めるのではない。いかに,“変なもの”をたくさん思い付くか,ワクワク,ドキドキするものをどうやって造るかだ。これをイタリアから学ばなければならない」と説いた。 なぜ,イタリアなのか。100年前,イタリアは他国に出稼ぎに行かなければならない人がいるほど貧しかった。その後,イタリアは極めて好調な経済成長を続け,2007年には,ついにGDP統計で1人当たりの所得が日本と肩を並べた。ところが,中身はまるで異なる。日本人の従業員は残業し,休日出勤し,有給休暇は4割しか消化せず,夏休みはわずか1週間。これに対し「イタリア人