トーン・ポリシング(Tone policing)とは意見の内容ではなく意見を述べる際の口調や論調に対して否定的な態度を取ることで意見の妥当性を損ねる行為であり、大まかに言えば論点のすり替えです。 最近の事例であれば、ジャニーズ事務所の記者会見で代表取締役が報道陣の強い口調を嗜めた行為がトーン・ポリシングにあたると批判されているのを見かけました。 もちろん他者の意見の妥当性を貶める目的で行われるトーン・ポリシングは詭弁に他ならず、当然批判されて然るべきです。 ただ、トーン・ポリシングを指摘する行為が必ずしも錦の御旗として使えるか、あるいは詭弁を粉砕できる銀の弾丸であるかには個人的に疑問を持っています。 第三者の支持を失うことのリスク 私自身は「誰が言ったか」や「どう言ったか」よりも「何を言ったか」を重視する考えを持っていますが、「何を言ったか」を広く喧伝するためには「誰が言ったか」「どう言っ