今さらながらクリス・アンダーソン『ロングテール』を読んだ。正直なところ、あまり目新しさは感じなかった。内容が陳腐だからではない、本書の予言がほぼ的中したからだ。小売業界にとってAmazonの登場がいかに革新的だったか。そして、業界をどのように変えたのか。当時の興奮が伝わってくる1冊だ。 一方で、今の私たちから見ると楽観的すぎると感じられる部分も多い。 たしかにAmazonは革命を起こした。しかし同時に──どんな革命にもつきものだが──様々な弊害をもたらした。現在の私たちは、その弊害にどう対処するかに頭を悩ませている。本書が予言した未来の一歩先の世界を、私たちは生きている。 ロングテール‐「売れない商品」を宝の山に変える新戦略 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) 作者: クリス・アンダーソン,Chris Anderson,篠森ゆりこ 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2014/05/2