地球上に存在する水は、生命にとって絶対に欠かすことのできないものである。だからこそ科学者たちは、これまで地球にある水の起源を解明しようと全力で努めてきた。 ある理論によれば、太陽系にある水は、太陽が作られた後に化学的に組成されたものだという。もしこれが真実であるとするなら、特定のメカニズムで生まれた恒星系にしか水は存在しないということになる。しかしアメリカで行われた最新の研究では、地球に存在する少なくとも一部の水に関して言えば、太陽ができる前から存在する、星間空間に由来するものであることが判明した。 研究を行ったカーネギー研究所のコーネル・アレクサンダー氏は、水に含まれる水素と重水素の割合に着目した。重水素とは水素より重い兄弟のようなものだ。どちらも原子核に1つの陽子を持つが、重水素は中性子も持っており、特殊な状況下でしか形成されない。 例えば、星間空間に漂う水の氷は低温と電離放射線のお陰