Science Dailyに、 人間がHIVに対して脆弱になった過程を推論する記事が掲載されている(リリース)。チンパンジーや他の霊長類たちはHIVには抵抗力があるが、古い内在性のウイルスであるPtERV1には抵抗力がなく、例えばチンパンジーのゲノムには、このPtERV1のコピーが130個も存在している。これに対して、人間のゲノムには PtERV1のコピーは存在しないらしい。 今回、Fred Hutchinson Cancer Research Centerの研究者の実験において、人間のTRIM5alphaというタンパク質がレトロウイルスから細胞を防御していることが分かり、さらにTRIM5alphaがHIV-1に対しては抵抗力がないことも分かったようだ。ということで、皮肉にも人間がPtERV1に対して抵抗力を持つために進化したところで、逆にHIV等のウイルスへの抵抗力を低下させてしまったと