2021年度から23年度まで3年間で日本が半導体産業支援のためにつぎ込んだ補助金は3.9兆円に上る。1980年代から90年代前半にかけて隆盛を極めた日の丸半導体の復権なるか? 財務相の諮問機関である財政制度等審議会が提示した資料で、日本政府の半導体産業への支援が欧米各国と比べて格段と手厚いことが浮き彫りとなった。 半導体はスマートフォンや人工知能(AI)などのIT機器はもちろんのこと、家電などほとんどの電子機器に組み込まれている。鉄道や電気、水道など社会インフラの制御にも不可欠だ。このため、各国が半導体を「戦略物資」と位置付けて産業支援策を打ち出し、工場誘致にしのぎを削っている。 日本が経済安全保障の観点から過去3年間の補正予算に計上した半導体産業への支援額は約3兆9000億円で、国内総生産(GDP)の0.71%に相当する。内訳では、半導体受託製造世界最大手で熊本県菊陽町に工場を建設した台