化石の分子生物学――生命進化の謎を解く (講談社現代新書) 作者: 更科功出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/07/18メディア: 新書購入: 2人 クリック: 44回この商品を含むブログ (12件) を見る 本書は古生物学者で古代DNAの研究者である更科功による一般向けの本である. 冒頭は最近話題となったネアンデルタール人と現生人類との交雑にかかる話だ.ネアンデルタール人とは何か,ゲノムとは何かという解説を交えながら,古代の核ゲノムの解析からネアンデルタール人と現生人類の間に全面的ではないが一部交雑があったという結論を導いたリサーチが紹介されている.本書の工夫の1つは「何故そういう解釈ができるのか」を丁寧に説明しているところだ.特に「何故コンタミネーションではなかったと言えるのか」のところは詳細だ.(ネアンデルタールDNAの場合には女性骨からのY染色体の配列検出数を統計的に検討