(2011年6月15日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 福島第一原子力発電所の事故による放射線のリスクからなんとか国民を守ろうとしているこの時期に、日本政府は発がん性のあるたばこからさらに多くの利益を獲得するよう努めるべきだという提案は、どこかおかしいと思われるかもしれない。 しかしこのアイデア、実はそれほどばかげたものではない。日本の財務省は既に、日本たばこ産業(JT)の株式を50%超保有することでかなりの収入を得ている。JTと言えば、販売数量でフィリップ・モリス・インターナショナルとブリティッシュ・アメリカン・タバコに次ぐ世界第3位の上場たばこ会社だ。 JTが財務省に払う配当金は300億円 2011年3月期だけでも、JTは300億円を超える配当金を財務省に支払っている。その原資の大半は、1350億本のたばこを国内の愛煙家に販売して得た利益である。そしてその愛煙家たちはたばこの香りを楽