欧州合同原子核研究所(CERN=セルン、ジュネーブ)は13日、同研究所の大型粒子加速器「LHC」を使って、あらゆる物質に質量を与えたと考えられる仮説上の素粒子「ヒッグス粒子」の存在を確認する手がかりを得たと発表した。2012年末までに発見が期待できるとしている。ヒッグス粒子は、現代物理学を支える「標準理論」で予言された17種類の素粒子で唯一見つかっていない。 ヒッグス粒子探索は、日本の東京大や高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)など15研究機関の約100人が参加する「アトラス」(38カ国約3000人)と、欧米などの「CMS」の2実験グループが別々に進めている。 両グループは、原子核を構成する陽子を、LHCのトンネル内で走らせて光速近くまで加速、正面衝突させ、特定の条件でできるヒッグス粒子の検出を試みた。条件を満たすのは100兆回のうち100回程度と少ないため検出が難しい。 アトラス