ファーウェイの創業者、任正非は異色の経営者だ。貴州省の貧困の村に生まれ、文化大革命に人生を翻弄され、44歳という年齢でファーウェイを起業した理由は「食うため」だった。朱邦凌はメディアにでは報道されていない任正非の人柄がわかるエピソードを紹介している。 「食うため」にもがき続けた任正非 ファーウェイの創業者、任正非(レン・ジャンフェイ)は、現代のテック企業経営者の中でも異色の存在だ。1944年に貧しい家庭に生まれ、44歳でファーウェイを創業するなど、多くのスタートアップ経営者とは世代も出自も違っている。 苦労人という言葉では収まらない、中国の激動の近代史に翻弄され続けた人だ。大学に進学したのは「食うため」であり、人民解放軍に入隊したのも「食うため」であり、ファーウェイを創業したのも「食うため」だった。任正非の人生は、食うことが常に大きなテーマであり、自殺を考えたことも何度もあると言う。 朱邦