「中国を愛しているからこそ、そして自由な民主国家になってほしいからこそ、この漫画を描いた」。言論統制の敷かれている中国の漫画家が、日本の出版社を通して自国の絶望的な内情をエッセイ漫画で描いた――。『中国のヤバい正体』(大洋図書刊)は、そんなにわかには信じがたい本だ。著者の孫向文氏(筆名・30歳)は浙江省の杭州で暮らす生粋の中国人。幼い頃に『聖闘士星矢』に熱中したことから漫画家を目指し、20代半ばに中国本土で漫画家デビューした。今回、出版に合わせて来日しているという話を聞き、インタビューが実現した。 ⇒【前回】までのインタビューはコチラから https://nikkan-spa.jp/491572 ◆仰天!パクリだらけの中国の漫画事情 中国にも漫画誌はいくつかあるが、お寒い状況のようだ。中国の漫画家にとって最も大きな障害となっているのが表現規制の問題だという。 「あだち充先生の『タッチ』だと