南三陸町議会は7日、沿岸部の住宅を高台に移転するための土地購入議案を、反対多数で否決した。対象となる町内4地区の移転計画に影響を及ぼすのは必至で、町当局は「今後のことは白紙。議会の結論を住民に報告し、一からやり直すしかない」としている。 購入が提案された土地は、同町戸倉のゴルフ場開発跡地(約107ヘクタール)で、民間の投資会社が所有している。町は9300万円で取得後、公営住宅や公共施設などを建てて4地区の移転先とする計画をたてた。 7日の本会議では、反対派から「ほかに検討すべき場所がある」「本当に必要な土地は(購入が提案された土地)全体の約3割しかない」「投資会社は社長が所在不明で活動実態も見えず、不審な点が多い」といった意見が出された。一方、賛成派は、4地区の住民ら約1500人が賛成の陳情書を提出していることを踏まえ、「住民の希望を尊重すべき。購入するタイミングは今しかないかもしれない」