観光客が釣った魚を市場が買い取り、価値に応じて周辺の飲食店や土産物屋で使えるクーポンを発行する取り組みが、静岡県熱海市で始まった。観光客と魚市場、地域それぞれにメリットがある「三方良し」の新しい地域振興策として注目を集めている。 熱海港から歩いて約5分、観光名所「起雲閣」のすぐ近くの清水町に熱海魚市場がある。15日午後1時前、課外授業で訪れた熱海高の2年生12人と引率の教諭たちが市場に持ち込んできたクーラーボックスが開けられると、歓声があがった。 「高級魚だよ、これは」 中から氷と一緒に取り出されたのはアマダイとマダイ計約15匹。大きいものは35センチほどある。 目の前ではかりにかけると重量はともに2キロずつだった。買い取り価格は魚種などによって変わるが、この日はアマダイ、マダイともに1キロあたり1300円。全て市場が引き取り、5200円分のクーポンが生徒たちに支払われた。 よく釣りをする