オバマ大統領は7月中旬に“有色人種の地位向上協会”(NAACP)の創立100周年記念パーティーで演説を行った。NAACP(National Association for the advancement of Colored People)は、アメリカ市民の間での、平等の実現と、偏見の撲滅を理念に掲げてきた団体である。 オバマ氏は大統領の選挙期間中には、この団体とは距離を置いてきた。「自分は黒人の代表として選挙戦に出るのではない、アメリカ国民の代表として選挙戦に出るのだ」という思いが強かったからだ。だがこの7月にNAACPの100周年行事が巡ってきた。大統領がどのような演説をするのかが注目された。会場には数千人の聴衆が押しかけていた。ほとんどが黒人だった。演説は45分間続いた。 オバマ大統領はまず、「この100年で黒人の地位は大きく向上した。今では大企業の社長になっている人もいるし、州