「いじめた側が教室に通えて、いじめられた娘がなぜ別室で自習なのか」。中学2年の女子生徒の父親から、「ニュースあなた発」にこんな訴えが寄せられた。学校のいじめでは、被害者が別室登校や不登校になりがちだ。いじめを受けた側が教室を追われるような状況はいたたまれないが、加害者にも学ぶ権利がある。どうすればいいのか。教育現場での苦悩が続いている。(鈴木みのり)
日本社会は新型コロナウイルスとの共存に踏み出しているにもかかわらず、国や自治体などの多くの記者会見で、コロナ感染防止対策を理由に、出席人数などの制限が続いている。会見は国民の「知る権利」に応えるため、為政者らが民意に沿って施策を進めているかどうかを報道機関が監視する場でもある。現状を点検し、「ウィズコロナ」での会見のあり方を考えた。
マイナンバーカード普及のため、政府は中央省庁に対し、国家公務員の身分証化を進めているが、一部の省庁が「個人情報漏えいの恐れがある」との理由で反対していたことが分かった。政府は健康保険証廃止や免許証との一体化を進め、民間企業の社員証としての利用を呼びかけるなど普及に躍起だが、改めてその説得力が足元から揺らいでいる。(特別報道部・山田祐一郎) 「政府部内でこんな文書が取り交わされるケースは見たことがない。非常に異例な文書だ」。16日の衆議院内閣委員会で、質問に立った立憲民主党の山岸一生氏が文書を示し、政府の見解を求めた。文書のタイトルは「国家公務員身分証の個人番号カード一元化における問題点等について」。政府は2016年から、霞が関の中央省庁でマイナカードの身分証利用を実施しているが、文書はその直前の15年11月、内閣官房と警察庁、公安調査庁、外務省、防衛省が連名で政府に提出したものという。 文
われわれが繰り返し聞かされてきた、南海トラフ地震の30年以内の発生確率が「70〜80%」という国の予測(80%予測)。それがどう計算されたのかはほとんど知られていない。その確率の根拠が江戸時代に港を管理していた役人の一族に伝わる古文書だと、知り私は驚いた。 南海トラフ地震 静岡県の駿河湾から九州沖の海底に延びる溝(トラフ)沿いで起きる巨大地震。過去1400年の歴史上、100〜200年間隔で大地震が起きている。政府の中央防災会議は2012年、最悪の場合、死者が約32万人に上ると想定。地震調査委員会は13年に南海トラフ全域でマグニチュード(M)8以上の巨大地震が30年以内に起きる確率は60〜70%と発表。18年には年数の経過により70〜80%と引き上げられた。
東京電力が福島第一原発の視察者に、放射性物質のトリチウムが検知できないうえに、セシウムについても高濃度でないと反応しない線量計を使い処理水の安全性を強調する宣伝を繰り返していることが本紙の取材で分かった。専門家からは「処理水の海洋放出に向けた印象操作と言われても仕方ない」と批判が出ている。(山川剛史) 「処理水を測ってみますが、メーターは振れません」。処理水のサンプルに線量計を当てて説明する東京電力の担当者(一部モザイク処理)=福島県大熊町の福島第一原発で
頑張った子が損をする!? 都立高入試「英語スピーキングテスト」の問題点とは? 11月実施目前でも止まない反対運動 来年度の東京都立高入試で初導入される英語スピーキングテストの公平性を巡り、29日の都議会定例会の一般質問で議論が交わされた。30日は、テストの入試導入を阻止する議員提出条例案が文教委員会で審議される予定。一部保護者らも住民監査請求や署名活動で、テストを止めようと動く。11月の実施を目前にしても反発が続くテストの問題点を探った。(沢田千秋) 英語スピーキングテスト 英語の読む、書く、聞く、話すの4技能のうち、話す力の到達度を測る。11月27日に実施予定。ヘッドホンとタブレット端末を使い15分間で8問に解答し音声を録音する。問題ごとに英文読み上げや英語で意見を述べる能力などをみて100を上限にスコアをつける。スコアはA〜Fの6段階評価に変換し、都立高入試で20〜0点を加点。
安倍晋三元首相の国葬に関し、国会の関与がないのはおかしいとの批判がやまない。岸田政権は国葬実施を内閣の一存で閣議決定したが、自民党内からも疑問の声が出ている。法律の専門家である衆院法制局と衆院憲法審査会事務局は、憲法の趣旨を踏まえ「国会関与が求められている」との見解を示した。国葬は27日に行われる。(坂田奈央、柚木まり)
安倍晋三元首相の国葬が、天皇の国事行為以外で「国の儀式」として実施される初めてのケースになることが分かった。今回と同様、内閣府設置法に基づく式典には東日本大震災の追悼式などもあるが、いずれも「内閣の儀式・行事」という扱いになっており、極めて異例の対応だ。ただ、国事行為が憲法で裏付けられているのに対し、国葬は法的根拠そのものにも疑義を唱える声があり、有識者は事前に十分な国会審議が不可欠だと指摘する。(坂田奈央) 2001年施行の同法は、内閣府の所掌事務として「国の儀式」と「内閣の行う儀式・行事」を並べて明記。国葬に関する直接の規定はないものの、岸田文雄首相は「国の儀式として行う国葬儀は、閣議決定を根拠に行政が国を代表して行い得る」と説明している。 内閣府によると、これまで行われた「国の儀式」は、19年4月の天皇退位に伴う一連の儀式や、毎年元日に皇族がそろう「新年祝賀の儀」など、いずれも憲
金融庁が、インターネット掲示板「2ちゃんねる」創始者で人気ユーチューバーのひろゆき(西村博之)氏との対談動画を公開し、ネット上で批判の声が多く寄せられている。ツイッターでは、2ちゃんねるを巡る民事訴訟の賠償金を支払っていないとされるひろゆき氏を起用した金融庁の姿勢に疑問を呈する声が続出。鈴木俊一金融担当相は26日の会見で「報告を受けておらず、的確にお答えできない」と述べた。 動画はお金に関する知識や資産形成などをテーマに高田英樹総合政策課長との対談形式で前編と後編があり、ユーチューブに公開されている。ひろゆき氏は動画内で少額投資非課税制度(NISA)について「税金払わなくてよくなるので、枠を使い切るまではNISAで全部やっておけばとアドバイスしている」などと話している。
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