永沢徹(弁護士) 【第58回】 2009年02月20日 「1円でも高く売る」信念なし アドバイザーのカモにされた「かんぽの宿」 ――プロセスよりも、「一括売却」という入札条件そのものに問題あり いま世間を賑わしている「かんぽの宿」譲渡問題。昨年末に109億円でオリックス不動産に一括売却すると発表されたものの、鳩山総務相の「待った!」の一声で状況は一変。ついには今週16日、譲渡契約の解除が発表された。 この問題については連日、あらゆるメディアが報じているが、その焦点は“入札プロセス”がほとんどである。それに加えて、話は郵政民営化の是非にまで及び、政局絡みの様相も呈してきている。しかし、この問題で私が最も注目しているのは、入札プロセスではない。入札プロセス以前に、“入札条件そのもの”に大きな問題があると考えているからだ。 「1円でも高く売る」ためには? というのも私は仕事柄、これまでに