原理主義というと「イスラム原理主義」か、あるいはアメリカの政治に関心のある人だと逆に「聖書を字義通り読む人々/反進化論」というイメージを持つであろう。 だが、原理主義というのは別にイスラム教やキリスト教に限ったものではないし、その発露の仕方もさまざまである。 本書では、アメリカやエジプトだけでなく、イラン、インド(ヒンドゥー・ナショナリズム)、インドネシア、日本(神道)なども幅広く取り上げて分析している。 本書ではまず原理主義の一般論が最初と最後に書かれている。 個別論に終始していないところは好感。 シカゴ大プロジェクトによる原理主義の特徴として イデオロギー的特徴 ・近代化による宗教危機に対する反応 ・選択的な教義の構築 ・善悪二元論的な世界観 ・聖典の無謬性の主張 ・終末観的世界認識と救世思想 組織的特徴 ・選民思想 ・組織のウチとソトとの明確な区別 ・カリスマ的な指導者の存在 ・厳格