寛容と不寛容の間にこそ、人の本質が詰まっているのでは――。そんなやりとりから始まったトークイベント「寛容と不寛容の間ー仏教の智慧を科学する」では、脳科学者・中野信子氏と向源代表・友光雅臣氏が登壇。人間の寛容・不寛容についてお互いの考え、脳科学と仏教から見た考えを語りました。親切=寛容、ではない? 本パートでは、中野氏が考える「寛容の定義」を語りました。 「ファシズム」の語源は「絆」 中野信子氏(以下、中野):今、絆ホルモンという言い方をしたのですが、みなさんファシズムという言葉を聞いたことがあると思いますが、昨今は右傾化しつつあると話題になっています。 ファシズムという語源をご存知の方はいらっしゃいますか? それはイタリア語でほぼ絆という意味です。 友光雅臣氏(以下、友光):日本語にしてみると、束ねるという言葉が絆なのです。 中野:そうですね。つまり、イタリア人はよくわかっていたのかもしれ