たぶん、高齢者の入院患者を持つ人なら常識かもしれませんが、私自身が得た知識を整理する意味でも、同じ状況にある人の参考のためにも、書いてみたいと思います。(ちなみに、このエントリは2008年6月2日時点のものです。) 高齢者が3ヶ月以上入院できにくくなっている理由は、3ヶ月を過ぎると病院に支払われる入院医療報酬が減る制度にあります。3ヶ月を境にして、入院の保険点数が極端に下がる制度になっているのです。これは、高齢者の長期入院をさせている医療機関へのペナルティを意図しています。で、転院を薦められるというわけです。もちろん例外(後ほど触れます)は定められていますが、ほとんどの一般病棟の高齢入院患者は3ヶ月を過ぎると病院側の医療報酬が減ります。病院側の経営が成り立たなくなります。 建前としては、病院側の経営の問題を理由として退院もしくは転院させることはできませんが、病院の存続という社会性を持った課
私の世代は、教養として、フーコーやレインの反精神医学の流れに少なからぬ影響を受けてきました。今でも多くの若者が、ある時期、自分の問題として精神医学や心理学をかじったりするものだと思いますし、私の学生時代では岸田秀の唯幻論(フロイドの精神分析の社会論への援用)にはまったり、わからないまでもラカンやテレンバッハ、日本では木村敏なんかの書物を紐解いたりしました。 そこに描かれる精神疾患は、ある意味で、ロマンティックな精神の深淵を覗かせてくれるものとして描かれています。患者さんにとっては迷惑な話ですが、そうした症状を実存の問題として読んできました。それはアカデミズムだけでなく、文学なんかでも同じだったと思います。私の読書体験で言えば、統合失調症(精神分裂病)は、とりわけ実存分析学派において、ある時期まで関係性の病として哲学的に論じられてきましたが、向精神薬の開発にあわせるように、そうした記述が急速
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