自治体職員らが加入する労働組合の専従職員が、上司である労組幹部からパワハラを受けたと訴えていた訴訟で、幹部に慰謝料の支払いを命じる判決が9月、甲府地裁で言い渡された。原告は書記(職員)だった50代女性。労組の委員長、書記次長だった男性から「何も働かない。休めていいね」といった言葉をかけられ、怒鳴られたと訴えていた。労働者の権利を守るための、それも公務員による労組で何が起きていたのか。原告、被告双方への取材や訴訟資料からは「パワハラ」への認識が立場によって大きく異なる実情が浮かび上がる。【春増翔太、最上和喜】 「怒鳴られ相談も無視された」 甲府地裁の今澤俊樹裁判官は9月1日の判決で、「自治労山梨県本部」(甲府市)で2019年、中央執行委員長だった男性(56)が女性書記に大声で怒鳴るなどしたのはパワハラに当たるなどと認定。書記次長だった男性(38)による女性書記へのパワハラ行為もあったのに、女