第二次世界大戦直前に起きたノモンハン事件において、日本軍は大きな損害を受けました。多数の死傷者があったのに加えて、日本軍としては相当に多数の捕虜が発生したと言われています。 いまだ謎の多いノモンハン事件であるところ、これら捕虜たちについても多くの謎が存在しています。いったい何人の日本兵が、どのようにして捕虜となり、その後はどのような運命をたどったのか、必ずしも明らかではありません。定説的には数百から数千人が捕虜となって多くはソ連に残り、帰国しても自決させられた者もいると言われますが、これはどの程度確かな話なのでしょうか。 そこで、これらの謎について、私なりに資料を集めて答えを探した結果が本稿です。定説とは少々異なった結論に達した部分もありますが、はたしていずれが真実に近いのか、読んで考えていただけると幸いです。 目次 1.日本側捕虜の総数について (1)従来の状況、(2)新史料の評価、(3