アメリカ政府は、日米の合意に基づいて、アメリカに引き渡すため専用の船に積まれて日本から輸送された研究用のプルトニウムが6日、アメリカに到着したと発表しました。 アメリカの核安全保障局は6日、プルトニウムがアメリカ南部サウスカロライナ州にある核関連施設に到着したと発表しました。核安全保障局は、具体的な到着日は発表していませんが、核関連施設の監視を行っている地元の市民団体によりますと、輸送船は、今月4日に到着したとみられるということです。 このプルトニウムは、高純度で核兵器に転用しやすいとされることからアメリカで核兵器に出来ないように処理されるということで、核安全保障局は今回の引き渡しを「核セキュリティ上、重要な成果だ」と意義を強調しています。 一方、地元の州知事がプルトニウムの受け入れに反対する姿勢を示しているほか、市民団体からも十分な説明がないと懸念する声が上がっています。
MOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料の使用により、発電で消費したプルトニウム燃料よりも多くの燃料を作り出す“夢の原子炉”の実用化を目指して建設された、高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)。1980年代から、1兆円以上もの国費を投じて進められてきた巨大プロジェクトが、存亡の瀬戸際にある。 原子力規制委員会は2015年11月13日、もんじゅを運営する日本原子力研究開発機構(以下、「機構」)による安全管理体制に問題があることを理由に、運営主体の変更を求める勧告を、もんじゅを所管する文部科学相宛てに出した。勧告は新たな運営主体を特定できない場合には、安全上のリスクを明確に減少させるべく、発電用原子炉としてのもんじゅのあり方を抜本的に見直すように求めた。 これは事実上の「失格宣言」にほかならない。廃炉が現実味を増してきた。 電力会社、経産省も距離を置く
高速増殖炉「もんじゅ」が安全管理問題をきっかけに存亡の窮地に立たされている。鈴木達治郎・長崎大学教授(長崎大学核兵器廃絶研究センター長)は、高速増殖炉としての実用化プロジェクトと研究開発の二兎を追う宿命がもんじゅを迷走させたと分析する。もんじゅに対する原子力規制委員会の勧告を、核燃料サイクル政策全体を見直す好機ととらえる。 ――高速増殖炉「もんじゅ」が原子力規制委員会の勧告をきっかけに存続の危機に立たされています。この問題をどうとらえていますか。 勧告の内容で重要なのは、発電用原子炉としての安全性に着目していることだ。研究開発目的だけの施設であればいつでも作業を止められるし、稼働率についてさほど考えなくてもいい。これに対してもんじゅは規模が大きくないとはいえ、れっきとした発電用原子炉だ。研究炉と比べて部品の点数も多く、求められる信頼性も高くなければならない。原子力規制委員会はその点に着目し
アメリカのロスアラモス研究所には、各種実験に使われ、2人の科学者の命を奪った約14ポンド(6.2kg)の未臨界量プルトニウムの塊が存在しました。これは2人の科学者の命を奪った経緯から「デーモン・コア(悪魔のコア)」という呼称で呼ばれるようになったのですが、このデーモン・コアが取り扱われた当時の状況を、2人目の犠牲者となったルイス・スローティン博士に特に焦点を当ててThe New Yorkerが追っています。 Demon Core: The Strange Death of Louis Slotin - The New Yorker http://www.newyorker.com/tech/elements/demon-core-the-strange-death-of-louis-slotin 1945年8月21日、ニューメキシコ州のロスアラモスから3km離れた場所にあった秘密研究所のロ
原子力規制委員会の勧告を受け、高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)のあり方を検討してきた文部科学省の有識者検討会が20日、報告書案をまとめた。だが、勧告が求める具体的な運営主体はまだ示せておらず、規制委が納得する見通しは立っていない。 もんじゅをめぐっては、2012年に機器約1万点の点検漏れが発覚。その後も保安規定違反や新たな点検不備が相次いだ。規制委は昨年11月、半年をめどに新たな運営主体を具体的に特定するよう馳浩文部科学相に勧告。示せなければ、リスクを減らすよう、あり方の見直しを求めた。 これを受け、文科省は原子力や行政学などの専門家らの有識者による検討会を計8回開催。主に新たな運営主体の要件を議論した。 まとまった報告書案は、新主体の要件として、原子力分野以外の専門家を半数以上入れた経営協議体の設置などを提言。新たな組織の形として特殊会社や特殊法人などを挙げたが、具体的な主体は
チェルノブイリの立ち入り禁止地域で撮影されたプシェバルスキー馬(2016年1月22日撮影)。(c)AFP/GENYA SAVILOV 【4月26日 AFP】世界で最悪の原発事故の現場が30年近く、ほぼ見捨てられたまま放置されたら、何が起きるのだろうか? 旧ソ連(現ウクライナ)チェルノブイリ(Chernobyl)の事例は、人間はいなくなったが放射能に汚染された巨大な自然保護区の中で、野生生物がどのように回復するのかを知る稀有な機会となっている。 「人間が去ると、自然が戻る」。チェルノブイリの立入禁止区域の生物学者、デニス・ビセネブスキー(Denys Vyshnevskiy)氏は、AFPの記者が同区域を訪問した際に語った。近くでは野生の馬の群れが食べ物を探していた。 1986年4月26日に原子力発電所の原子炉の一つが爆発し、スウェーデンからギリシャにまで達する放射能の雲を放出した旧ソ連・ウクラ
国内の大学の研究用原子炉が6月以降、順次運転を再開する方向であることが9日、分かった。原子力規制委員会の主要審査がほぼ終わり、合格の見通しが立ったため。原子力規制庁が同日、規制委の会合で報告した。 国内にある大学の研究用原子炉は、京都大の2基と近畿大の1基の計3基。再開時期は、京大の1基が6月以降、京大のもう1基と近大のものは秋以降になる見通し。 大学の原子炉も、規制委が定めた研究炉のための新規制基準に適合する必要がある。3基は平成26年5月以降、順次停止し、原子力などを専攻する学生の教育に影響が出ていた。
関西電力は21日、今月中の再稼働をめざす高浜原発4号機(福井県高浜町、出力87万キロワット)で、この日始める予定だった「起動試験」を延期した。20日に原子炉補助建屋で見つかった放射性物質を含む水漏れの原因を調べるためで、26日にも再稼働するとみられていたが、遅れる可能性が出てきた。 起動試験は21日からの予定で、原子炉の核燃料の核分裂を抑える制御棒が正常に動くかどうかなどを確かめた後、制御棒を引き抜き核分裂反応を起こして再稼働する計画だった。 しかし、その前段階の試験をしていた20日午後3時42分ごろ、原子炉補助建屋にある1次冷却水の浄化設備などに水を通したところ、水漏れを知らせる警報が鳴った。浄化設備近くで水たまりが見つかり、原子力規制委員会と福井県に連絡した。漏れた水は約34リットルで、放射能は国に報告する基準より低かったという。 関電は21日も水漏れの場所や原因を調べたが、「特定に至
いつも朝日新聞デジタルをご利用いただきましてありがとうございます。 朝日新聞デジタルでは、以下のページについて配信を終了させていただきます。 配信終了後は、これまでに配信した記事もご覧いただくことができなくなります。 【配信を終了するページ】 ■ロイターニュース 2023年2月26日(日)配信終了 ・経済 https://www.asahi.com/business/reuters/ ・国際 https://www.asahi.com/international/reuters/ ・芸能 https://www.asahi.com/culture/reuters/ ・マーケット・サマリー(東京、NY、欧州) https://www.asahi.com/business/stock/market-summary/ ■東洋経済兜町特捜班 2023年3月26日(日)配信終了 https://ww
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どうする原発:7 北海道大准教授(政治学)・中島岳志さん(40) ――関西電力高浜原発など原発再稼働の流れが加速しています。「安全神話」に回帰しているようです。 「人間はどうやっても間違える不完全な存在です。あらゆる物事を把握し、常に最良の選択ができる人間なんていない。そんな人間が構成している社会は、不完全にしかなり得ません。私は保守を自認していますが、保守とは『人間の判断には誤りがあるかもしれないので理性を過信しすぎないようにしよう』という思想だと思います。その前提に立てば、『人間に絶対安全な原発なんて造れるわけがない』という考えに至ります」 ――「原発事故のリスクは、自動車事故で死亡するリスクよりも小さい」という意見もあります。 「確かに自動車や飛行機など、… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読
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