最初に断っておくと、わたしが告知されたわけではない。 ただ、日本人の2人に1人はがんになるといういま、何の準備もしないわけにはいかない。はじめてのチュウや初体験と同じように、初告知に向けて情報を集める。人生初のセックスと同じくらい重要だぞ、人生初のがん告知(たぶん)。 もちろん、ある種のダチョウのように、地面に頭を突っ込んで逃避することも可能だ。あるいは、信号無視のDQNのように「見ない=存在しない」ように振舞うこともできる。しかし、自分を大事にするのは自分の努め。家族や仲間のいる「わたし」は、もはや自分だけのものではない。「そのとき」になってあわてて間違った行動をとらないために。今というときがイザというときなのだから。 そんなわたしにぴったりの特集があった。「暮らしの手帖」の2010.12号だ。題して、「はじめてのがん(がんと告知されたら)」。書き手は森文子さんで、国立がん研究センターの