「奇妙な果実 ビリー・ホリデイ自伝」を読んだ。 私はブラックスプロイテーション映画に、ファンク、ソウル、ヒップホップとアメリカ黒人文化は好きなのだが、ジャズだけはほとんど通ってこなかった。 ビッグバンドのスウィングやビバップは耳に入ってくれば非常に好ましく聴こえてくるのだが、それ以上掘ってみようという気にならない。私の世代だと“ジャズ喫茶”に代表される、うるさ型の堅苦しい文化であるように刷り込まれているのは大きな要因であろう。 最近、黒人に対する蔑称“Nワード”について「黒人同士なら仲間という意味で気軽に使われもするが、他の人種が黒人に対して使うのは、その文脈を問わずタブー。奇妙な果実のカバーがほとんど無いのと同様」といったツイートを見かけた。 「奇妙な果実」は南部での黒人リンチを歌ったビリー・ホリデイの代表曲という話は知っていたし、歌詞だけは読んだことがあったが、当の曲自体は聴いたことが