もっと子どもと性を語ろうよ――。米軍基地の街、沖縄県宜野湾市で、声を上げ続ける人がいる。性教育の啓発を進めるNPO団体代表、玉元一恵さん(48)。米兵の性犯罪で被害を受けたのに中傷される女性を目の当たりにしてきた。性と命の尊さを知れば、自分と相手を大切にできる人が育つ。そう信じて奔走している。 「妊娠した女子中学生の親は性教育に無関心だった」「高校生にもデートDVがある」。宜野湾市役所の会議室で1月中旬、若年出産や非行を抱える家庭を支える家庭相談員の研修があった。性をめぐる事例が次々に挙がり、講師の玉元さんは聴き入った後に語りかけた。「レイプなどの暴力は命にかかわる。性教育は難しいけど、だから大切なのです」 玉元さんが性教育に問題意識を持つようになったのは、95年に米兵3人が起こした少女暴行事件がきっかけ。長女におっぱいを含ませながら、食い入るようにニュースを見た。当時は米軍基地の