年初の挨拶がわりに、なだいなださんがちょうど30年前に書かれた文章を紹介します。(最初のさわりだけやけど) 新しい年をむかえて、噛み締めてみるのにふさわしい文章とおもいます。 2007年1月1日 ウリ‐ジャパン(戦争抵抗者インター日本部) ——アナーキストは、なにを求めているのか。 アナーキストの求めるものがなにかを知れば、多くの人は、おそらく笑いだすだろう。いわゆる国家という枠のなくなった社会、法律などというもののない社会、そして指導者などのいない社会をつくりたいというのだから。 なにしろ、歴史の中をくまなくさがしても見つからないような社会だから、目の前にあるものしか信じられない現実家からは、それは人間の空想的産物さ、と片付けられても仕方がない。 とはいえ、歴史はじまって以来、そのような社会がずっと民衆によって夢み続けられてきたのも、現実なのである。 「そんなものは幻想さ」という人がある