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ブックマーク / ides.hatenablog.com (12)

  • 発達障害を持った子どもたちのメンタルヘルスと特別支援教育についての感想 - 井出草平の研究ノート

    『こころの科学』LD・AD/HD特集号から品川裕香の論文。 LD・AD/HDなどの診断を受けた子どもたちのその後について取材をして、特別支援教育への提言を行っている。 リストカット、うつ、不登校、ひきこもりと言ったものの背後に発達障害があるということからはじまる。 品川裕香,2009, 「大人になるまで・大人になってから−−厳しい教育・社会の現状とその打開策−−」 『こころの科学』145号,79-84. AD/HDとアスペルガー症候群と診断された男子のインタビュー。 「僕はね、温室から寒風吹き荒ぶ南極大陸に放り出されたようなものだったんです。中一のときにADHDだのアスペルガー症候群だの言われて、それなりに丁寧な指導を受けてきたけれど、結局、理解してくれる人が誰もいない集団のなかではまったくのダメ人間だった。診断されていたり、診断名に応じた指導を受けたからといって、社会に適応できる力がつい

    発達障害を持った子どもたちのメンタルヘルスと特別支援教育についての感想 - 井出草平の研究ノート
  • 「子ども・若者育成支援推進法」の成立 - 井出草平の研究ノート

    少し前の話になるが、「子ども・若者育成支援推進法」という法律が成立している。文面を呼んでもニートひきこもりといったものは出てこないが、岸周平によれば、ニートや引きこもりの若者の支援の基礎的な法律になるようである。 この法律は、ニートや引きこもりの若者の支援体制を整備することが目的です。 http://blog.goo.ne.jp/shu0712/e/8cb58348d3a205d55966c0d9b01f643b 縦割りは良くなくて、真ん中にある協議会であるとか窓口がソーシャルワーク的に適切な機関を紹介して、かつ相互連携を取って行きましょうという図のようである。 子ども・若者育成支援推進法 目次 第一章総則(第一条―第六条) 第二章子ども・若者育成支援施策(第七条―第十四条) 第三章子ども・若者が社会生活を円滑に営むことができるようにするための支援(第十五条―第二十五条) 第四章子ども

    「子ども・若者育成支援推進法」の成立 - 井出草平の研究ノート
  • 江戸時代の精神障害 - 井出草平の研究ノート

    精神障害者をどう裁くか (光文社新書) 作者: 岩波明出版社/メーカー: 光文社発売日: 2009/04/17メディア: 新書購入: 3人 クリック: 169回この商品を含むブログ (37件) を見る 筋の記述ではないが江戸時代の精神障害についての記述が面白かった。江戸時代から精神障害(主に統合失調症)による殺傷事件は起きており、有罪か無罪は事情によって異なり、約半々くらいの処置がされていたと言うことである。文脈としては、精神障害者の心神喪失・心神喪失を認める司法というのは、輸入されたものではなく、江戸時代から存在していたというものである。 当時、香川修徳、土田献翼卿などの医学者が精神疾患についての説を展開した。土田による『癲癇狂経験編』は、わが国で最初の精神医学の専門書であると考えられている。 また奉行であった根岸鎮衛が収集した奇妙な小話を集めた『耳袋』には、統合失調症、色情狂など

    gnarly
    gnarly 2009/07/10
    "過食嘔吐で症状とされる脳萎縮の問題がありまして,過食嘔吐をするから脳萎縮をするのか,脳萎縮をする遺伝子的な持った人が過食嘔吐を表現型として症状として表すのかというと,おそらく後者なのだろうと思うのです"
  • 暴力アスペ - 井出草平の研究ノート

    特別支援教育のための精神・神経医学 (学研のヒューマンケアブックス) 作者: 杉山登志郎,原仁出版社/メーカー: 学習研究社発売日: 2003/05メディア: 単行購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (3件) を見る 杉山登志郎の記述部分から。 高機能の広汎性発達障害の中には暴力的行為を繰り返すグループが一定数いて「暴力アスペ」と密かに呼んでいるそうだ。この言葉を知らず、かつ興味深い表現だったので掲載しておく。 それほど多い割合ではないが、多くの高機能広汎性発達障害の児童と出会ってみて、われわれは、暴力的な噴出を繰り返す児童が存在することに気づいた。全体としては高機能児の5%前後で、そう多いものではない。しかし、このグループの子が一人いれば学級崩壊になってしまうほど、この子たちの起こす問題は深刻であった。 われわれは密かに「暴力アスペ」とニックネームをつけて呼んでいたが、

    暴力アスペ - 井出草平の研究ノート
  • 社会に合わせようとするから、社会と合わせられなくなっている - 井出草平の研究ノート

    ひきこもりについての論考。「ひきこもり」は社会へ適応しないのではなく、適応しようとするために逆に適応できない状態に陥っているという内容。非常に的確で興味深い論文。 加藤弘通,2006, 「ひきこもりの青年にとって働くということ--社会に向き合って生きようとする姿」 (特集 若者が働くということ--発達心理学的な視点から) 『発達』27(108),28〜34 つまり、誇大な夢を語った。「意味がない」と退けたりすることには、それなりの意味があるのです。例えば、「意味がない」と貰うAさんは、「アルバイトが続かないこと」について次のようた話します。 アルバイトすること自体はそれなりに楽しいし、その日その日は充実している。でもそれ にハマって、周りから頼りにされればされるほど、「このままじやあ、タメだ」という思いが強くなってくる。「このままじゃあ、またルートからはずれちゃう、終わっちゃうって。もちろ

    社会に合わせようとするから、社会と合わせられなくなっている - 井出草平の研究ノート
  • 非言語性学習障害症候群の特徴 - 井出草平の研究ノート

    非言語性学習障害は概してアスペルガー症候群に似た特徴を持っている印象を持つが、アスペルガー症候群の臨床像とは異なっているのは音韻処理障害においてである。視空間認知スキルと身振りによるコミュニケーションには問題があるが、言語能力は比較的保持できている臨床像という要約になろう。 総説 アスペルガー症候群 作者: アミー・クライン,サラ・S・スパロー,山崎晃資,フレッド・R・ヴォルクマー,小川真弓,徳永優子,吉田美樹出版社/メーカー: 明石書店発売日: 2008/05/30メディア: 単行購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログ (5件) を見る 非言語性学習障害症候群の特徴 われわれが徹底的な臨床検査を経て確認した非言語性学習障害の主要な臨床症状(概念の内容)は、以下の通りである。 1.両側の触知覚障害。通常左半身の方が著しい。単純な触知覚の欠如や抑制の徴候は年齢とともに治まる傾

    非言語性学習障害症候群の特徴 - 井出草平の研究ノート
  • アスペルガー概念の余命は長くない - 井出草平の研究ノート

    発達障害という記号 (メンタルヘルス・ライブラリー)』における高岡健の発言より。 アスペルガー症候群が十分に確立された概念かどうかについては、学会の論理としては保留されています。私の予想では、この言葉は早晩、違う言葉に置きかえられるだろうと思いますね。 さっき私がアスペルガー症候群という呼称は早晩消えるだろうと述べたのは、その概念が自閉症スペクトラムの中にすでに含まれるからです。それにもかかわらず、現在は何か突出して使われている。しかし、近い将来は、その突出している分が、もう少し平坦になるだろうという、そういう意味です。 アスペルガー症候群の一般的に使われている意味内容は、社会的な関係性の発達に問題があって、知的障害ではないというあたりだろうか。そういう状態を指す言葉が他にあまり見あたらない*1ので、そんなに簡単には死なない言葉だとは思うが。カテゴリカルな認識に代わって、スペクトラム概念

    アスペルガー概念の余命は長くない - 井出草平の研究ノート
  • これぞプロの裁判官、感動の被告人質問 - 井出草平の研究ノート

    これぞプロの裁判官、感動の被告人質問 http://www.nikkansports.com/general/asozan/2006/asozan030.html 匿名掲示板「2ちゃんねる」に、小学生・エイベックス社員の殺害予告などを書き込んだ事件の裁判。 裁判官「人付き合い下手なんでしょ? 下手でいいじゃん。そういう人いっぱいいるし。自分の殻に閉じこもって生きてても、それでも生きてる価値は十分あるじゃない」 被告人「はぁ…」 裁判官「あなたはこうして会話もできるし、さっきから話を聞いてると頭もいいしね。理知的に話すし。どうなの? 人付き合いができないのはカッコ悪いのかね?」 被告人「それはあると思います」 裁判官「何でカッコ悪いの? 見栄でしょ?」 被告人「見栄っぱりのところがあるかもしれません」 裁判官「見栄なんか捨てればいいじゃん。人にはそれぞれ特性があるんだから。どんな人も、世間に

    これぞプロの裁判官、感動の被告人質問 - 井出草平の研究ノート
    gnarly
    gnarly 2007/01/17
    でも"どんな人も、世間に迷惑かけずに生活していくべきなんだよ"で台無し
  • 中学卒業時点での終業状況 - 井出草平の研究ノート

    現代教育研究会(代表:森田洋司)「不登校に関する実態調査」(平成5年度不登校生徒追跡調査報告書)より。 中学卒業後に「正社員」「パート・アルバイト」「家業手伝い(フルタイム)」などで就業に従事した者を合計すると、全体の28.3%いる。学校基調査によれば平成5年当時の中学卒業者の就職率は2.0%に過ぎず、それと比較するとこの割合は高い。また、同世代が高校を卒業する平成8年の高校卒業者の場合、その年齢で就職した率は同世代人口の24.3%であるが、中学卒業時点での就業率はこれをも上回っており、中学時の不登校体験は早い年齢段階から就職率を高くすることがこの結果から読み取れる。 不登校児童の3割が卒業後、就業している。通常は2%。非常に高い割合での就業がなされている。 非進学者のなかで多いのは、就職したことがあるという者であり、非進学者のうち46.0%が就職を体験し、21.4%に転職経験がある(表

  • 辻井正次「アスペルガー症候群の理解と地域支援のあり方」 - 井出草平の研究ノート

    辻井正次 「アスペルガー症候群の理解と地域支援のあり方」 『月刊保団連』 42〜48,2006/5. ちなみに、近年の知見では、被虐待児の57%に発達障害があるなど、子どもの育てにくさの背景に発達障害の問題が存在していることが明らかになっている。このデータでは、約25%がアスペルガー症候群などの高機能広汎性発達障害であった。 出所はかかれておらず。論文を読み進めるとどこかで発見できるだろう。おそらく。 発達障害というのは、一般的なイメージのなかでの「障害」という青葉と実際がかなりの異なりがある。ここでの障害はdisorderだから,つまりorderに乱れがあるということで、発達の道筋が他の多くの人たち(定型発達と呼ぶ)と,発達の道筋に特徴的な遠いが出るというものである。 「障害」という言葉について。医学用語での「障害」(disorder)と日常用語での「障害」には語感が大きく違う。この語感

    辻井正次「アスペルガー症候群の理解と地域支援のあり方」 - 井出草平の研究ノート
  • 吉田友子「高機能自閉症とアスペルガー症候群」 - 井出草平の研究ノート

    吉田友子, 「高機能自閉症とアスペルガー症候群--臨床家のための概念整理」 『医学のあゆみ』 217(10),984〜989,2006/6/3. アスペルガー症候群の概念整理の論文。非常に勉強になる。 日では,カナー症候群といえば中重度の知能障害を合併した自閉症のみを指すような用いられ方がときになされる.カナー症候群に関する公式な定義はないが,Knner自身の記載からも直弟子の児童精神科医である牧田清志による"カナー症候群"の記載からも,この用語を知能障害の有無で裁定ざれるものとして取り扱うことは不適切であろう.カナー症候群とは自閉症状が典型的に示されている症例を指して用いるべきである. カナー症候群は中程度の知的障害の自閉症を指す言葉ではなく、自閉症状の中核群であるという指摘。 Wingは当初からカナー症候群とアスペルガー症候群の連続性を強く革識していた.1997年の追記では「両者の特

    吉田友子「高機能自閉症とアスペルガー症候群」 - 井出草平の研究ノート
  • sociologically@はてな - [発達障害]いま、アスペルガー症候群が注目されている背景

    加藤敏・十一元三・田中康雄 他 「座談会/いま、アスペルガー症候群が注目されている背景」 『現代のエスプリ』 (464),5〜39,2006/3. 田中 杉山登志郎先生が「そだちの科学」五号(二〇〇五年十月)で、相談に来ているアスペルガー症候群と診断された方のうち、触法行為は四・七%で、九五%以上は触法行為とは無関係であったという自験例を出していますね。 おそらくこの論文。 杉山登志郎, 「アスペルガー症候群の現在」, 『そだちの科学』 (5),9〜21,2005/10(日評論社). 加藤 ラカン派精神分析の見地からすると、あくまで喩えですけれど、精神病は、机に脚が四あるうち一が欠如している病態で、その一をどう補うかが課題となるととらえられる。この見地からすればアスペルガー症候群でも、一ない脚をどうするのかということが問題になるわけです。その場合にまずは、ドナウィリアムズが良い例

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