やはり、悪い予感は的中した。砂浜の海岸から掘り出されたのは、どこかで作ってあらかじめ埋めておいた、パンノキの実の発酵食品、マール。 マールというのは、ヤップ州離島(ヤップ島ではない)のパンノキの実の保存食品で、パンノキの実を収穫したあと、バナナの葉やパンノキの葉を敷きつめた土中に埋めて作るが、こんな砂浜には絶対に埋めない。 こんな場所に埋めたら、すぐ潮が侵入してくるし、台風でも来たらひとたまりもないし、第一砂まみれになって食べられたもんじゃないではないか! マールをつくる場所は、標高の低い平坦なサンゴ礁島でも、やや内陸のちょっと高めの土地が選ばれる。現代のヤップ島に住んでいる離島の住人は、土中に埋めないで、クーラーボックスを活用している。わたしもそれで作ったことがあるけれど、量の加減も簡単にできるし、発酵したのを取り出すにも手間がかからないので、たいへん便利な方法だ。 ところが、この砂まみ