「言必信、行必果」(言は必ず信あり、行いは必ず果たす)という孔子の言葉は、日中国交回復(1972年9月)以降の日中関係において重要な意味を持っている。日中国交回復を宣言した日中共同声明が発表された後、周恩来総理は「言必信、行必果」という題辞を田中角栄首相に贈り、これを受けた田中角栄首相は「信為万事之本」(信は万事のもと)と返したという。その後の日中首脳交流においても、「言必信、行必果」という言葉はよく引用されている。小渕首相が訪中した際、朱鎔基総理も同じ言葉を書いた題辞を贈ったそうである。 「言必信、行必果」という言葉は、『論語・子路』に登場したもので、原文は「子貢問曰、如何斯可謂之士矣。子曰、行己有恥、使於四方不辱君命、可謂士矣。曰、敢問其次、曰、宗族称孝焉、郷党称弟焉。曰、敢問其次、曰、言必信、行必果、硜硜然小人也、抑亦可以為次矣」=「子貢問いて曰く、何如なるをか斯れこれを士と謂うべき