東方キリスト教世界の王を目指したバルカンの大国セルビア 旧ユーゴスラヴィア連邦は南スラブ系民族を中心とした連邦国家でしたが、その中心にあったのはベオグラードを都に構えるセルビア人でした。 セルビアは現在でも様々な民族・宗教・言語が入り混じるバルカン半島内において、経済力・政治力・文化力で頭一つ抜け出した存在ですが、故に周辺国との摩擦が絶えません。セルビア王国は中世でもバルカンの有力な国家で、一時はバルカンの半分を占領しビザンツ帝国の首都コンスタンティノープルを脅かすほどでした。しかしオスマン帝国に敗れ、併合されてしまいます。 歴史はセルビア人がバルカン半島にやってきた7世紀ごろから始まります。 1. セルビア国家形成の動き 初期セルビア国家の形成 セルビア人は南スラブ系民族に属し、モンテネグロ人、クロアチア人、スロベニア人、マケドニア人と系統は同じです。南スラブ系民族は、7世紀ごろに遊牧民
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