「卵は1日1個までにしないとコレステロール値が上がると聞いている」、「イカ、タコ、エビ、貝類はコレステロール値が高くなるから食べるのを控えなさい、と医者に注意された」という話を聞いたことはありませんか。しかし、実はコレステロールを多く含む食品を食べても、血中コレステロール値には影響がないとされています。厚生労働省は2015年、日本人の食事摂取基準からコレステロールの上限値を撤廃しました。それはなぜなのでしょうか。また、脂質異常症にならないために、気をつけなければいけない点は何でしょうか。そのポイントをお伝えします。 コレステロールは、体内で合成できる脂質です。体重50kgの人で1日600~650mgが主に肝臓で作られています※1。食事で摂取されるコレステロールは、男性の中央値が297mg、女性が263mg(30~49歳、1日あたり)で※2、その40~60%が吸収されますが、体内で作られるコ