日本人は間違いなくMTが嫌いである。自販連のデータによると、2019年に販売された新車に占めるAT率は98.6%。これは、データが確認できるすべての国の中で最も高い数字だ。日本に続いてAT率が高い国はアメリカで、2017年のデータで97%となっている。しかしアメリカはAT発祥の地であり、もともとAT帝国だった。そのアメリカより、日本はAT率が高いのだから恐れ入る。 AT率は世界の中でも日米が突出して高く、それに続くのが東南アジアや中東、そしてオーストラリアだ。意外なことに中国ではまだMT車が売れていて、AT率は半数に達していない。これは、中国の民族系メーカーが作る安価なクルマの多くがMTであることが主な原因だ。 自動車発祥の地・欧州でも、AT率はじわじわ上昇中だが、2010年の段階で17%。最近のデータは不明だが、まだ圧倒的にMTのほうがメジャーだ。欧州では、AT車が基本的に高級車に限られ