慶應義塾大学医学部に付属する「百寿総合研究センター」は、高齢者1554人を最長10年に亘り追跡調査してきた、世界有数の長寿研究機関である。センターの調査によると、百寿者の性格には“負けず嫌い、誠実、几帳面でやりかけたら最後までやりぬく、賢くて、何でも上手にできる、小学生のとき成績がよかった”との共通点があるという。また、老化の正体の一端には「慢性炎症」があり、その抑制のための鍵は「食生活の改善」「運動習慣」「社会参加」にあると、センター専任講師の新井康通医師は言う。ノンフィクション・ライター西所正道氏の取材による本連(「週刊新潮」)載最終回では、これらを踏まえ“百寿者アスリート”の暮らしを見てみよう。 *** 筑波大学名誉教授で、運動生理学が専門の勝田茂氏は、「高齢者こそ筋トレをやるべきだ」と指摘する。勝田氏が運動機能を直接測定したことのある、山口県の長岡三重子さん(101)は、80歳で水