<本場の中国でも根強い人気の『三国志』と諸葛亮。 近年は魅力的なキャラクターとして描いた日本側の人物解釈が中国に逆輸入されている> 最新の内閣府の世論調査で国民の約9割が「中国に親しみを感じない」と回答するなど、現代日本人は中国が「嫌い」だ。しかし、『キングダム』や『パリピ孔明』など中国史が題材のエンタメは大人気。その筆頭格が『三国志』で、日本人には古くから中国史への多大なるリスペクトがある。 中国の社会の底流には今も歴史が流れ続けており、習近平も演説に古典を引用し続けている。現代の中国社会と中国共産党は、自国の歴史をどう見ているのか? 令和日本の中国報道の第一人者・安田峰俊による話題書『中国ぎらいのための中国史』(PHP新書)の「第一章 奇書」より一部抜粋。 諸葛亮の『出師表』を引用する習近平 諸葛亮はおそらく、日本人の間で最も有名な中国史の人物の一人だ。そのプロフィールを簡単におさらい