(英エコノミスト誌 2014年3月8日号) 刃物による凄惨な襲撃は中国に衝撃を与え、同国の少数民族政策への疑問を投げかけた。 「こんなことがあってはならない。とにかく、あってはならない。私には理解できない」 元鉄道運転士の男性はこうつぶやき、涙をこらえながら、昆明駅前に設置された仮設の祭壇前に立っていた。3月1日夜、黒い服を着た襲撃者の集団が長刃のナイフや包丁を振り回し、凶悪な大量殺戮を繰り広げた現場だ。 目撃者の話では、襲撃者は無差別に人々を刺しては切りつけ、皆が必死にこの殺戮現場から走って逃げたという。襲撃はものの数分で終わったが、被害を出さずに済むほど早く終わらなかった。 国営メディアが「中国版9.11」と呼んだ襲撃で、少なくとも29人が死亡、140人が負傷した。 襲撃事件が昆明と中国に与えるインパクト 当局者らは、今回の襲撃事件を「新疆ウイグル自治区の過激派」が実行したテロ行為だと