【BOOK】西舘好子さん『家族戦争』幻冬舎(1100円+税) 30年あまり前、ワイドショーや女性誌を連日、騒がせた超ド級のスキャンダルがあった。直木賞作家、井上ひさしの妻が、年下のスタッフと不倫関係になって夫婦は離婚。妻は、世間から一方的なバッシングを浴びた。長い歳月を経て、当事者がいま明かす「真相」とは…。(文と写真・梓勇生) --夫から妻への、すさまじいDV(家庭内暴力)の様子が書かれている 「とにかく『書き始める』と悪魔か鬼か知らないけど、常人ではないようになってしまうんです。離婚したときには私の母が『あのままだったら殺されてたよ』と言ったぐらい。井上さんは(DVなど)なかったことにしたいでしょうけど、何人もが見ていますから。それで逃げ込んだ先が(不倫相手となった)今の夫のところでした。私のことをかわいそうだと思ってくれたんでしょうね」